【共催オンラインセッション】「情報技術とプラグマティズム」研究会 / 科学研究費助成研究「言語生成AI時代における主体性概念の再考:情報学的主体概念の構築」
「生命の主体性と意味解釈:生命記号論×生命論的情報学の可能性」
日時:2026年7月30日(木) 19:00 – 21:00[予定]
開催形態:オンラインセッション(Zoom予定)
参加方法:(⇒文末)
発表:
鈴木 大地(筑波大学/学術企画Wunder株式会社 代表)
応答:
西田 洋平(東海大学)
佐古 仁志(東京交通短期大学)
司会:
椋本 輔(デザイン事務所代表/立命館大学ほか)
概要:
記号論・記号学は、主に人間による論理的推論や言語の問題をめぐる考察に始まり、動物記号論、そして生命記号論といった方向にも展開してきた。それは、「記号」の存在を自明のものとして、その相互関係について考えていくことの、適用範囲を拡大するという意味での展開ではない。そもそも人間以外も含めた生命にとって、記号はどのように生じているのか、言いかえれば生命はどのようにして世界に意味を見出しているのか、という根源的な問いへの深化である。
日本記号学会の歴史の中でもかつて、生命記号論を「記号論の逆襲」の鍵と位置付けた、活発な議論がなされていた(☞ 日本記号学会設立二十周年記念出版『記号論の逆襲』,2002)。従来の記号論の適用範囲の拡張・拡大ではなく、記号という概念の射程を本質的に拡張するために、改めて理論的な基礎を固めるものとしてこそ「逆襲」の鍵となる期待が有った。
また、それは必ずしも「記号」という概念に関する議論に留まらず、「情報」や「コミュニケーション」「メディア」といった概念についての根本的な議論とも通じ合う。実際に、当時の日本記号学会における議論も、同時代に形成が進んでいた生命論的な情報学(ネオ・サイバネティクスの一環としての基礎情報学)との交流の中で行われていた。
そして昨年2月、かつての議論も踏まえて「生命記号論再考」の端緒を開くために、日本記号学会・情報技術とプラグマティズム研究会のオンラインセッション「言語の自律性と生命の主体性─記号の解釈と情報学的主体─」(2025年2月4日)を開催した。当時から活動している二人、基礎情報学の理論的な中心メンバーであると共に生命記号論にも造詣が深い西田洋平さんと、「生態学的記号論」を主なテーマにパース記号論の原典に基づく発展的な研究に取り組んでいる佐古仁志さんとの対話から、新たな議論が展開された。その際の議論も踏まえて、今年度から新たな共同研究プロジェクト「言語生成AI時代における主体性概念の再考:情報学的主体概念の構築」(科学研究費助成研究・基盤研究C,2026年度〜)もスタートしている。
今回のオンラインセッションでは、「生命記号論再考」の次なる一歩として、また「記号の解釈主体」について生命論的な情報学の視点から考える科研費共同研究の導入として、生物学における現在進行形の研究との対話を試みる。それは、直前に開催される日本記号学会第46回大会「パース記号論のフロンティア」(特に第1セッション「生命と目的の記号論」)での議論とも、深く関連した内容となる。
今回は、脊椎動物の神経系・行動・心の進化を多角的に研究しながら、生物の相同性や動物意識に関する科学哲学的な研究も進めている鈴木大地さんをお招きして、ご自身の研究と、その視点から考える「生命の主体性と意味解釈」について、お話し頂く。当日は、生物学の具体的な研究知見に基づいて、生物の目的指向性から、主体性、主観性といった問題について、またそれらの問題と生命記号論の現在的な展開との関係についての発表を予定している。さらに、基礎情報学・記号論の双方と密接に関わる記号創発システム論/CPC(集合的予測符号化)仮説との理論的関係なども検討課題となる(鈴木さんは、生物学に根ざした文脈で生命記号論に関する議論が長年重ねられてきた生物学基礎論研究会の現在の中心的なメンバーの一人でもあり、また記号創発システム論/CPC仮説をめぐるコミュニティの運営にも参画している)。
そして、鈴木さんからのお話に対して、西田さん・佐古さんの二人からこれまでの議論も踏まえて応答・論点を提起して、ディスカッションを開いていく。
記号の解釈主体をめぐる問題について、また生命論的な情報学における意味の問題について、その基礎となる「生命の主体性」を、改めて生物学の視点から考えていきたいと思います。幅広く関心を共有する皆さまは、ぜひ気軽にご参加下さい。
参加方法:
https://forms.gle/tKtoAkAcacrbeFfH9
日本記号学会:情報技術とプラグマティズム研究会
(共同幹事:加藤隆文・谷島貫太・椋本輔)
