2021年11月27日(土)・28日(日)
オンライン × 九州大学・大橋キャンパス他 による ハイブリッド開催
⇒ 参加方法・お申し込み
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おかげさまで、それぞれの参加形態から多くのご参加を得て、2日間の日程を無事に終了いたしました。
本大会での議論は追って、前回大会「記号・機械・発酵──「生命」を問いなおす」と合わせ、学会誌・叢書セミオトポスに収録・刊行される予定です。
今後もまた、ぜひ気軽に記号学会の活動へご参加下さい。
開催にあたって
大会実行委員長:増田 展大(九州大学)
日本記号学会第41回大会「自然と文化のあいだ──「生命」を問いなおす vol.2」を開催します。
今回の大会は、昨年に開催された 第40回大会「記号・機械・発酵──「生命」を問いなおす」のテーマを引き継ぎ、異なる角度から「生命」という主題に迫ろうとするものです。新型コロナウイルスが私たちの身の回りの状況を一変させたなか、本大会もまた当初の日程からの延期を余儀なくされました(ご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます)。
この間にもヒトやウイルスなどについて科学的に規定された生命が、日常のうちに育まれる文化に多大な影響を及ぼしています。そうして「自然」科学の知見と私たちの生きる「文化」や生活が衝突や軋轢を引き起こすなか、生命についての理解はどのようなものへと練り直されているのでしょうか。
今回の大会は自然科学や芸術文化、そして人文学の領域から三つのセッションを構成し、それぞれを横断可能にする記号学会独自の視座によって、人間に限られることのない「生命」を再考するための議論を交わしたいと思います。
今回の大会は、昨年に開催された 第40回大会「記号・機械・発酵──「生命」を問いなおす」のテーマを引き継ぎ、異なる角度から「生命」という主題に迫ろうとするものです。新型コロナウイルスが私たちの身の回りの状況を一変させたなか、本大会もまた当初の日程からの延期を余儀なくされました(ご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます)。
この間にもヒトやウイルスなどについて科学的に規定された生命が、日常のうちに育まれる文化に多大な影響を及ぼしています。そうして「自然」科学の知見と私たちの生きる「文化」や生活が衝突や軋轢を引き起こすなか、生命についての理解はどのようなものへと練り直されているのでしょうか。
今回の大会は自然科学や芸術文化、そして人文学の領域から三つのセッションを構成し、それぞれを横断可能にする記号学会独自の視座によって、人間に限られることのない「生命」を再考するための議論を交わしたいと思います。
プログラム/タイムテーブル
1日目(11/27)
12:00~12:30 | 総会 (会員のみ) | ||||||||||||||
13:00~13:05 | 開会の挨拶 | ||||||||||||||
13:00~15:40 | 研究発表セッション | ||||||||||||||
※ 学会員は以上のセッションについてもオンライン参加可能です ⇒ 詳細
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16:00~18:00 | セッション1 | ||||||||||||||
【アーカイブ動画・視聴ページ】 ※公開を終了しました
「自己死を遂げる細胞たち ── 生命科学の視座から」登壇者:吉森保(細胞生物学)× 吉岡洋(聞き手) 要旨・登壇者紹介 細胞のリサイクルシステムを指す「オートファジー」の専門家である吉森保氏の基調講演をもとに、生命を捉え直すための視座を生命科学のうちに探る。
破壊を司るシバ神のような存在のオートファジーによって、細胞は日々破壊され再生している。このスクラップ&ビルドシステムによって、細胞の恒常性が維持されている。すなわち、細胞は元来不老不死のメカニズムを備えていると言え、実際老化しない生物やさらには死なない生物も発見されている。では、なぜ我々は老い て死ぬのだろうか。 こうして自らを内側から破壊する細胞のプロセスに着想を得つつ、吉岡洋会員を聞き手として現在の生命のあり方について議論を深めたい。
吉森保/ Tamotsu Yoshimori
生命科学者、専門は細胞生物学。医学博士。大阪大学大学院生命機能研究科教授、医学系研究科教授。1996年、細胞が自己の成分を分解する機能を指すオートファジー研究のパイオニアである大隈良典氏(2016年ノーベル生理学・医学賞受賞)が国立基礎生物学研究所にラボを立ち上げた時に助教授として参加。 国立遺伝学研究所教授、大阪大学(微生物病研究所)教授を経て、現職。2017年大阪大学栄誉教授、2018年生命機能研究科⻑。2019年、紫綬褒章受賞。現在の研究室では、真核細胞内部での物流ネットワークを指す「メンブレントラフィック」の分子メカニズムと生体における役割の解明を進める。著書に『メンブレントラフィック 膜・小胞による細胞内輸送ネットワーク』 ( 福田光則との共編、化学同人、2016)、 『LIFE SCIENCE 長生きせざるをえない時代の生命科学講義』(日経 BP、2020)など。 |
2日目(11/28)
10:00~12:00 | セッション2 |
【アーカイブ動画・視聴ページ】 ※公開を終了しました
「変異するテクノロジーとアート ── エキソニモを迎えて」登壇者:エキソニモ(アーティスト)× 廣田ふみ(聞き手) 要旨・登壇者紹介 生命にとって破壊や死は避けられない一方で、その進化のうちには「変異」と呼ばれる現象も絶えず生じてきた。さらに生物に限らず、テクノロジーとアートに生じている変異を捉え直すための手がかりを、アーティストのエキソニモが展開する実践に探る。
情報技術の急速な変動から強い影響を被るメディアアートでは、ハードウェアの耐久性やソフトウェアの更新とともに、当初の狙いやコンセプトも変異を遂げることになる。このことは、作品に付随する価値やテクノロジー、ユーザー/鑑賞者の経験においても例外ではない。こうした事態を積極的に引き受ける展覧会として「メディアアートの輪廻転生」(YCAM、2018)、「UN-DEAD-LINK」(東京都写真美術館、2020)を成功させたエキソニモに話を伺う。
エキソニモ/ exonemo
千房けん輔と赤岩やえによるアート・ユニット。1996年よりインターネット上で活動を始め、2000年よりインスタレーション、ライヴ・パフォーマンスなどへと拡張。デジタルとアナログ、ネットワーク世界と実世界を柔軟に横断しながら、テクノロジーとユーザーの関係性を露にし、ユーモアのある切り口と新しい視点を携えた実験的なプロジェクトを数多く手がける。2012年より「100年前から続く、インターネット上の秘密結社」とのコンセプトを持つ IDPW(アイパス)を組織、その取り組みのひとつ「インターネットヤミ市」は現在まで世界各地で開催される。 2006年、『The Road Movie』がアルス・エレクトロニカでゴールデン・ニカ賞(ネット・ヴィジョン部門)受賞。2015年よりニューヨークに拠点を移す。最近の主な展覧会に「メディアアートの輪廻転生」(山口情報芸術センター、2018)、「UN-DEAD-LINK」(東京都写真美術館、2020)、「CONNECT THE RANDOM DOTS」(WAITINGROOM、2021)など。2021年、第 71 回芸術選奨美術部門新人賞受賞。 |
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14:00~16:00 | セッション3 |
【アーカイブ動画・視聴ページ】 ※公開を終了しました
「人間ならざるものの生命 ── 哲学と人類学の交差から」登壇者:奥野克⺒(人類学)× 檜垣立哉(哲学) 増田展大(司会) 要旨・登壇者紹介 細胞や個体がウイルスや情報技術によって急速な変動に晒される一方、種という概念もまた、ポストヒューマンや人新世と形容される現在にその相貌を大きく変えようとしている。人間中心主義への批判とともに、哲学や人類学といった人文思想では「人間ならざるもの the nonhuman」という観点が注目を集めている。動物や植物、菌類の「種」は、それらと対比的に定義されてきた人間(観)の問い直しだけでなく、人間を含めた複数の種を横断可能にする視座から、生命そのものの存在について再検討を迫っている。こうした議論について奥野克巳氏と檜垣立哉会員の報告をもとに、哲学と人類学の交差するところから(非)人間的な生命について討究する。
発表題目
奥野克巳(人類学)「種から生命のあるがままへ」
檜垣立哉(哲学)「非人間主義と生命論──哲学と人類学の観点から」
奥野克巳/ Katsumi Okuno
文化人類学者、立教大学異文化コミュニケーション学部教授。大学在学中にメキシコ先住民を単独訪問し、東南・南アジアを旅し、バングラデシュで仏僧になり、トルコ・クルディスタンを旅し、大卒後、商社勤務を経てインドネシアを一年間放浪後に文化人類学を専攻。 主な著書に『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(亜紀書房、2018)、『モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が教わったこと』(亜紀書房、2020)、『マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか』(MOSA との共著、日本実業出版社、2020)、『ひび割れた日常 人類学・文学・美学から考える』(吉村萬壱、伊藤亜紗との共著、亜紀書房、2020)など。訳書に、エドゥアルド・コーン著『森は考える 人間的なるものを超えた人類学』(近藤宏との共同監訳、亜紀書房、2016)、レーン・ウィラースレフ著『ソウル・ハンターズ シベリア・ユカギールのアニミズムの人類学』(近藤祉秋、古川不可知との共訳、亜紀書房、2018)、ティム・インゴルド『人類学とは何か』(宮崎幸子との共訳、亜紀書房、2020)など。雑誌『たぐい 人間の「外から」人間を考えるポストヒューマニティーズ誌』を編纂し、現在までに第4号が刊行されている。 |
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16:15~17:15 | 全体討議 |
【アーカイブ動画・視聴ページ】 ※公開を終了しました
登壇者:増田展大(司会) 前川修(コメンテーター)
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閉会の辞:会長 前川修(近畿大学) |
参加方法について
参加可能方法は、会員・一般によって異なります。下記をご参照の上、会員・一般とも 主会場での現地参加をご希望の場合のみ、11月25日(木) までにフォームより申し込み をお願いいたします。
主会場での現地参加は、新型コロナウイルスの感染状況や感染対策を鑑み、申し込み先着順として、会員を中心に人数を制限させていただきます。
参加可能方法:
《会員》
① 主会場 現地(九州大学 大橋キャンパス ほか)【要申し込み・先着順】
② オンライン(Zoomミーティングへの参加 または ライブ配信の視聴)【申し込み不要】
※総会・分科会についてはZoom参加のみでライブ配信はございません。Zoomミーティングへのアクセス情報は、【11/24 15:00頃】に学会メーリングリストにてご案内いたしました。(学会メーリングリストが届いていない方は、情報委員会[info@jassweb.jp]までお問い合わせください)
《一般》
① 主会場 現地(九州大学 大橋キャンパス ほか)【要申し込み・先着順】
② オンライン(ライブ配信の視聴)【申し込み不要】
お申し込み後、内容確認メールがご記入のメールアドレスへ届かない場合は、実行委員会(41taikai@jassweb.jp)までご連絡ください。
※大会開催時の感染状況および当日の参加人数によっては、参加方式の変更をお願いする可能性もありますので、ご承知おきください。