◆「賭けること」の快楽はどこから来るのか?
「カジノ法案」が成立して、いよいよ日本はギャンブル国家になろうとしていますが、「賭けること」は人間だけでなく、生物の快感回路を刺激する進化の原動力なのだそうです。本書は、「賭ける」「賭博」という人類発生とともにある行為の意味を、多面的かつ記号論的に考察したものです。賭けることは偶然性・無限性に出会い、リアルとは何かを考えることであるという賭博の思想的次元を、深遠な哲学から、競馬の中継というある意味通俗的な次元とからめて考究した第一部と、麻雀などの古典的ゲームからテレビゲーム、パチスロなどまで、実際にやることと考えることの面白さを記号論ならではの方法で考察した第二部から成ります。猛暑の夏に最適の読み物といえましょう。
【主要目次】
- 刊行によせて(前川修)
- I部 賭博の論理・賭博の現場
- I部序文 賭博の論理・賭博の現場(檜垣立哉)
- 事実性と様相の潰れと賭け Factuality, Modal Collapse and Wager(入不二基義)
- 競馬実況における「賭け」―杉本清・元関西テレビアナウンサーを囲んで(杉本清,植島啓司,坂井直樹 司会:檜垣立哉)
- 付論 杉本的競馬実況についてのメモ(檜垣立哉)
- II部 賭博のメディア論―ゲーム・競馬・パチスロ
- II部序文 賭博を見る/読む(佐藤守弘)
- ギャンブルに賭けられるものは何か―ゲーム研究からの考察(吉田寛)
- 「名馬」を必要とする社会―競馬をめぐる〈夢〉の遠近法(瓜生吉則)
- ギャンブルマンガのメディア論―『パニック7』という名のパチスロマンガ雑誌が賭けたもの(吉村和真)
- III部 記号論の諸相
- 「投射」を手がかりにした「アブダクション」の分析と展開(佐古仁志)
- 現代建築における新ライプニッツ主義的実践 ―入江経一とサミュエル・ベケット(佐原浩一郎)
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A5判並製184頁 定価:本体2,600円+税
発売日 2018.8.31
ISBN 978-4-7885-1591-8
新曜社
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