「貨幣とは何か」は多くの分野で問われてきた難問である。単なる記号という考えから金銀など物質的価値を持つものという考え、最近のSNS上の再生数、暗号資産などまで多様化している。貨幣史、メディア論、文化人類学などの論者が多面的に考察する。
* 話題のデヴィッド・グレーバー『負債論』などによりつつ、刑務所内でのラーメン貨幣、援助物質サバ缶が貨幣?などを取り上げ、具体的に貨幣を論じる。
【主要目次】
- 刊行によせて(秋庭史典)
- はじめに(太田純貴)
- 第I部 貨幣と鉱山と地域経済――東アジア史・考古学・日本史からのアプローチ
- 選ばれる銭貨――東アジアにおける渡来銭流通の様相(大田由紀夫)
- 薩摩の金と世界システム(新田栄治)
- 地域史の視座から考える「金」と「貨幣」の記号論(伴野文亮)
- 概要と振り返り1(太田純貴)
- 第II部 貨幣とデジタル社会――システム論・視覚文化論からのアプローチ
- 写真と貨幣のアナロジー――その想像力の系譜と射程(増田展大)
- ブロックチェーンの記号論の前哨(水島久光)
- 概要と振り返り2(太田純貴)
- 第III部 〈物質=記号〉としての貨幣――技術・開発・美をめぐる知の交錯
- 貨幣の人間―技術論的分析――価値の経験哲学序説(前川修)
- 信用と商品のグラデーション――援助物資が貨幣らしさを獲得するとき(難波美芸)
- 貨幣の美学(吉岡洋)
- 概要と振り返り3(太田純貴)
- 資料 日本記号学会 第四四回大会
- 編集後記(水島久光)
- 執筆者紹介
-
A5判・200頁 定価:本体3,200円+税
発売日 2025.8.29
ISBN 978-4-7885-1894-0
新曜社
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