価値と意味ともの
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学会員・非学会員問わず当日現地でどなたでも自由に参加できます【非学会員参加費:1,000円(※学部生以下無料)】
さらに現代においては、NFTブームの到来と終焉、SNS上での再生等の数やイメージが富に直結する状況、人新世と表裏一体の資本の再分配、紛争鉱物地金の管理なども、貨幣やそれに関連する問題として視野に入ってくるのではないでしょうか。こうしたことには負債や価値を論じたデヴィッド・グレーバーの人類学的議論なども深く関与してくるように思われます。
「貨幣の記号論」と題した第44回大会では、国内有数の鉱山(金山)地帯である鹿児島を舞台に、歴史学やグローバル・ヒストリー、美学、人類学、哲学、考古学といった複数の知見を交差・共振させて、記号と物質の両方を視野に収めつつ、貨幣や資本という古くて新しい問題に取り組む機会にできれば幸いです。
みなさまの参加を心よりお待ちしております。
開催にあたって
大会実行委員長:
太田 純貴(鹿児島大学)
さらに現代においては、NFTブームの到来と終焉、SNS上での再生等の数やイメージが富に直結する状況、人新世と表裏一体の資本の再分配、紛争鉱物地金の管理なども、貨幣やそれに関連する問題として視野に入ってくるのではないでしょうか。こうしたことには負債や価値を論じたデヴィッド・グレーバーの人類学的議論なども深く関与してくるように思われます。
「貨幣の記号論」と題した第44回大会では、国内有数の鉱山(金山)地帯である鹿児島を舞台に、歴史学やグローバル・ヒストリー、美学、人類学、哲学、考古学といった複数の知見を交差・共振させて、記号と物質の両方を視野に収めつつ、貨幣や資本という古くて新しい問題に取り組む機会にできれば幸いです。
みなさまの参加を心よりお待ちしております。
プログラム/タイムテーブル
1日目【6/22】(会場:研究発表の分科会を除き、全て法文学部1号館・101教室)
11:00〜12:30 |
11:00〜12:30
学会員/非学会員による研究発表①(オンライン/会員および発表者のみ)
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13:00
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13:00
現地開場・受付開始
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13:30~14:10
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13:30~14:10
会員総会
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14:30〜15:00 |
14:30〜15:00
問題提起 (太田 純貴) |
15:00〜17:40 |
15:00〜17:40
第1セッション 貨幣と鉱山と地域経済
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セッション概要 セッション1は、鹿児島大学に関係する研究者たちを登壇者に迎え、「貨幣と鉱山と地域経済──東アジア史・考古学・日本史からのアプローチ」と題して議論を行う。
鹿児島と貨幣の関わりに目を向けて見れば、16-17世紀に大隅加治木郡で製作され使用されていた「加治木銭」や、西南戦争時に西郷隆盛軍によって発行された「西郷札」が挙げられる。同様に忘れてはならないのは、鉱山(金山)の存在である。鹿児島は菱刈鉱山・春日鉱山・岩戸鉱山・赤石鉱山、鹿籠金山、芹ヶ野金山、山ヶ野金山を擁し、国内有数の鉱山(金山)地帯である(あった)。セッション1の論点のひとつはこうした鉱山(金山)である。 紙幣にせよ金貨・銀貨・銅貨にせよ、貨幣は記号であり物質でもある。そして貨幣の物質的側面を担保していた重要な要素のひとつが鉱山であったことは言うまでもない。貨幣を生み出す物質すなわち鉱物を産出する鉱山は、採掘や冶金に関する技術が乱舞し、独自の共同体や文化が開花する場であった。 大田由紀夫氏(東アジア貨幣史/中国近世史)からは、「銭の選好」という観点から、13~16世紀東アジアにおける渡来銭流通の様相について話題を提供していただく。「銭の選好」すなわち「撰銭」は大田氏の『銭躍る東シナ海』(2021)で中心となるトピックの一つである。同書では、撰銭や日本銀の登場といったプリズムを通して、日中という単純な二国関係には収まりきらない東アジアの経済と歴史の動向が描き出されている。本報告では、同書を踏まえつつ、東アジアの銭貨の受容やその変容の理由・背景について言及されるだろう。 |
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18:00~20:30
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18:00~20:30
懇親(学習交流プラザ)
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2日目【6/23】(会場:研究発表の分科会を除き、全て法文学部1号館・101教室)
10:00
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10:00
受付開始
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10:30〜12:00 |
10:30〜12:00
学会員/非学会員による研究発表②(現地対面のみ)
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13:00〜14:10 |
13:00〜14:10
第2セッション 貨幣とデジタル社会
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セッション概要 複雑性が増した後期資本主義社会。いくつもの経済理論が正当性を競いながら、なお人々を幻惑しつづけている。暗号・デジタル資産のブーム、通貨発行の新しい根拠探し、SDGs的な『資本論』読解の提案等々──「貨幣」はその核心的地位を占めつつも、未だ各文脈の橋渡しをなすべき意味論機能を果たさずに亡霊然と振舞っている。それはなぜなのか。このセッションでは、水島久光と増田展大が互いのメディア的関心を中継点にして「オルタナティブ貨幣(貨幣のようなもの)」の議論を交換しながら、その「穴の開いた中心」への接近を図る。
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14:20〜17:00 |
14:20〜17:00
第3セッション 〈物質=記号〉としての貨幣
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セッション概要 貨幣は、例えばカール・マルクス、マーク・シェル、ゲオルグ・ジンメル、岩井克人、ジャン・ジョセフ・グー、ジャック・アタリらによって、経済学、哲学、美術史、視覚文化論など多様な分野で言及・議論されてきた。ここには忘れずに人類学の議論も付け加える必要があるだろう。昨今、人類学の成果は哲学などの他分野に多大な影響を与えていることは周知の通りである。こうしたいわゆる「人類学的転回」を牽引している議論のひとつが、デヴィッド・グレーバーのそれである。ブルシット・ジョブや官僚制といったテーマに加えて、グレーバーは『負債論』(2016)、『価値論』(2020)、『万物の黎明』(2023)で、貨幣や資本、富の再分配に関しても議論を展開した。もちろん、グレーバーの議論に異論はあるとしても、その影響力の強さは一定程度以上認められるのではなかろうか。
セッション3は、「〈物質=記号〉としての貨幣──技術・開発・美をめぐる知の交錯」と題し、グレーバーを緩やかな補助線として貨幣にアプローチすることを試みる。それは貨幣への多角的アプローチであると同時に、「現代思想」としてのグレーバーの議論や可能性をどのように引き受けるか──そして引き受けないか──ということにも関与してくるだろう。 登壇者の一人目の近藤和敬氏は、『人類史の哲学』(2024)を上梓し、『グレーバー+ウェングロウ『万物の黎明』を読む』(2024)でも討議を行うなど、人類学の成果を積極的に哲学研究に取り込んでいる。近藤氏からはグレーバーの『負債論』での貨幣論を引き受けた上で、人間の社会を形成し、集合的行為を駆動する技術的対象としての貨幣の可能性について話題を提供していただく。 「自然と文化のあいだ──「生命」を問いなおす」という大会テーマのもと2022年に開催された第41回記号学会大会でも、人類学と他領域の交差はセッションの重要な要素の一つであった。本セッションは、第41回大会の問題意識を貨幣という枠組みで引き受けるものでもある。また、登壇者三名からの報告は、グレーバーの議論以外にも、例えばフェティシズムやコモン・センスといった点でも折り重なっていくように思われる。それらは、人文科学によって継続的に検証を重ねられてきた論点だろう。第3セッションは、貨幣について哲学・人類学・美学から話題を提供いただくとともに、それを経由して参加者全体で、人文科学の議論の蓄積や成果を振り返り、その可能性や面白さを検討し経験できる場になるのではないだろうか。 |
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17:00〜17:30 |
17:00〜17:30
総括 (太田 純貴) |
研究発表・分科会の詳細
学会員/非学会員による研究発表①【6/22】
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学会員/非学会員による研究発表②【6/23】
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