春とは名ばかりの風の寒さがここのところ続いておりますが、皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
目下、一昨年の大会「食(メシ)の記号論」を元にした学会誌(叢書セミオトポス15号)が2月末に入稿の運びになるようです。名古屋大会の実行委員長・秋庭史典氏を中心に作業は進んでおり、次回の大会開催時には学会員の皆様にお渡しできそうで、安堵しています。
とはいえ、私が会長を任された時からの懸案である、学会誌刊行の遅れを取り戻すのは、もう少し先のことになると思います。任期中には佐藤編集委員長のもとでなんとか実現したいと考えております。なお、いつもこの場で申し上げておりますが、学会財政の逼迫状況から、理事会では学会誌のウェブ化が議題としてあがります。しかし、少なくとも私の任期中は、この刊行形態をできるかぎり維持したいと考えております。
学会誌刊行を含めた学会運営は、ひとえに皆様のご協力と学会費によって成り立っておりますので、どうか年度末に向けてお早めの学会費納入をお願いいたします。
さて、次回5月の大会は40回大会になります。河田学実行委員長のもと、5月16日(土)、17日(日)の両日に京都造形芸術大学で開催されます(もしかすると会場の名称が「京都芸術大」になっている可能性もありますが、場所をお間違えないようにお願いします)。今回は、ここ数回のテーマ(美少女、賭博、ファッション、食)とはうってかわって、「生命」を中心にした大会になります。もちろん、生命記号論はセミオトポスシリーズ、その前身である『記号学研究』シリーズで何度か特集されてきたテーマでもあります。そうした意味で、定点観測的に、この間の生命観の変容をあらためて人文学的視点から照らし出すことができる大会になるのではないかと期待しております。会員の皆様にはぜひご参加していただければと思います。京都でお会いするのを楽しみにしております。
前川 修 (神戸大学)