紙と電子の融合がもたらす「書物」の未来とは?
B・スティグレールほか気鋭の執筆陣による論考を多数収録し、思想とデザインの実践をつなぐ。
杉浦康平による巻頭論文は、AR(拡張現実感)アプリと連動!
http://hybrid-reading-kohei-sugiura.comanta.com/
本書は、AR(拡張現実感)技術に対応。杉浦康平のブックデザイン思想を、豊富な色彩とアニメーションで辿る、
ハイブリッドな読書体験がお楽しみいただけます。
叢書セミオトポス11『ハイブリッド・リーディング 新しい読書と文字学』が新曜社より発売中です。
「よみ/かき」という活動は、書物、ひいては文字の発明以来成立の、人間の基本的な営みです。その「よみ/かき」が、いまデジタルテクノロジーによって全面的に変わろうとしています。SNS、動画投稿サイトなど、私たちはもはや文字だけでなく画像、動画などをまったく並列的に使って、日々の行為や思索を「かき留め」、他人と共有しています。いっぽう私たちが日々生み出す膨大なデータ、行為や記憶の痕跡は、絶えずコンピュータに「よみ取られて」、人間の認知能力を圧倒的に超えた速度で分析され、解釈されています。
そのように「よみ」と「かき」の関係、人間と技術をめぐる関係が、デジタルに取り込まれることで複雑に融合し、再定義される有り様を問うのが、本書のねらいです。
ブックデザインの実践と歴史、書物の記号論、アジアにおける文字学(グラマトロジー)、新しい図書館や新時代のハイブリッドな「読書」の実験など、様々な角度からの「よむ/かく」をめぐる冒険的論考が満載の特集です。
企画・編集・構成=阿部卓也
【主要目次】
- 刊行によせて(吉岡 洋)
- はじめに ハイブリッド・リーディング(阿部卓也)
- I部[実践編]ブックデザインをめぐって
- 一即二即多即一 ──東洋的ブックデザインを考える(杉浦康平)
- 対談 メディア論的「必然」としての杉浦デザイン(杉浦康平×石田英敬 構成:阿部卓也)
- 杉浦康平デザインの時代と技術(阿部卓也)
- II部[理論編]ハイブリッド・リーディングとデジタル・スタディーズ
- 新『人間知性新論』 〈本〉の記号論とは何か(抜粋)(石田英敬)
- 器官学、薬方学、デジタル・スタディーズ(ベルナール・スティグレール)
- 極東における間メディア性の考古学試論(キム・ソンド)
- 「かくこと」をめぐって ──記号・メディア・技術(西 兼志)
- III部[実験編]これからの「リーディング」をデザインする
- デジタルアーカイブ時代の大学における「読書」の可能性(阿部卓也・谷島貫太・生貝直人・野網摩利子)
- もう一つのハイブリッド・リーディング(水島久光)
- IV部 記号論の諸相
- スーパーモダニティの修辞としての矢印 ──そのパフォーマティヴィティはどこから来るのか?(伊藤未明)
- 日本という言語空間における無意識のディスクール ──折口信夫の言語伝承論を手がかりに(岡安裕介)
- 「意味」を獲得する方法としてのアブダクション ──予期と驚きの視点から(佐古仁志)
- 自己表象としての筆致 ──書くことと書かれたものへのフェティシズム(大久保美紀)
-
A5判並製280頁 定価3,132円(本体2,900円+税)
発売日 2016.8.31
ISBN 978-4-7885-1486-7
新曜社
http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1486-7.htm
Amazon
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4788514869/