梅の開花が待たれる今日この頃、会員の皆様はお元気で活躍のことと存じます。
日本記号学会会長の1期目の任期もようやく終わりに近づいております。3年前に会長に指名されて以降、理事会の皆さんとともに、学会業務をなんとか運営してまいりました。阪大、明治大、名古屋大の3回の大会、3冊の学会誌(ハイブリッド・リーディング、美少女、賭博)の発行─最新刊は大会に間に合うかどうか微妙ですが─を無事こなせてきましたのは、ひとえに会員の皆様のご理解とご協力によるものだと感謝しております。また、情報委員会が取りまとめているこのニューズレターの定期的な発行も、会員の皆様の活躍の様子を情報交換するうえでも重要な媒体としてすっかり定着いたしました。
さらに当初懸案であった学会の財政問題も─全面解決したわけではないのですが─学会存続が危ぶまれる以前の状態をなんとか脱した状況です。会員数も入退会の出入りはありますが、現状の数を維持できております。会員の皆様のご協力を引き続きよろしくお願いいたします(なお、今年度の学会費をまだお支払いない会員の方は、年度内ですと諸経費で支払いが可能ですのでお急ぎください)。
ともあれ、現在のように、若い会員とベテランの会員がうまく共同しながら学会運営している今の体制が維持されていけば、記号学会の存続だけでなく、人文系の学問における記号学・記号論の意義も再びますます大きなものになっていくのではないかと考えています。これまでの学会の蓄積とこれからの活動の展開との橋渡し的な役割、それを私自身は果たせていければと考えております。
さて、次回の第39回大会は、橋本一径会員を実行委員長として5月25日(土)、26日(日)の両日に早稲田大学で開催されます。テーマはアニメーションですが、通常の関連学会とは違う、アニメーションのアニマ(魂)を外へ開いていくようなフレームで取り組む予定でおります。アニメに関心のあるなしに関わらず、会員の皆様にはぜひご参加していただければと思います。
前川 修 (神戸大学)