「情報技術とプラグマティズム」研究会・オンラインセッション
「貨幣としてのイメージ/資本としてのイメージ――もう一つの写真記号論に向けて」
日時:2024年10月8日(火) 19:00 – 20:30[予定・若干延長有]
開催形態:オンラインセッション(Zoom予定)
参加方法:(⇒文末)
写真は貨幣である。一見すると乱暴なこの宣言から出発して、本セッションでは写真の記号論を再考していきます。写真が貨幣であるなら、その実践の中心はもはや眼差しではありません。持ち運ばれ、交換され、蓄積されること。これが貨幣としての写真の範例的な振る舞いでしょう。だとすると、眼差しの技法としての記号論もまた無効になります。貨幣のように交換され、蓄積され、さらには資本として運用されるような写真の挙動を説明できる、新たな記号論が必要なのです。
今回は報告者として、記号学会会員であり視覚文化論が専門の増田展大さんが参加。増田さんには、今年6月に「貨幣の記号論」をテーマとして開催された第44回記号学会大会での発表をベースとして、「写真=貨幣論の射程」についてお話しいただきます。アラン・セクーラの写真=貨幣論から出発し、19世紀の写真実業家オリバー・ウェンデル・ホームズの写真実践、さらには19世紀半ばの名刺版写真(Carte de Visite)へと、写真をめぐる貨幣的実践の系譜と射程が掘り下げられていきます。その発掘作業の補助線となるのがパースの記号論です(パース自身も科学的実践として写真技術を活用していました)。写真を見つめる眼差しの次元ではなく、写真を扱うより多様な実践の次元を掴まえるために、パースの記号論が果たしうる可能性を探求します。
セッションでは、増田さんによる報告を踏まえ、パースの記号論の観点、および現代的なテクノロジーとの接続という観点からの論点提起を行います。そのあとはセッション参加者を交えての議論を展開していきます。
学会の内外を問わず、多様な関心をもつ皆様のご参加を心よりお待ちしています。
【タイムテーブル】
19:00 – 19:10 趣旨説明(谷島貫太)
19:10 – 19:40 報告(増田展大)
19:40 – 19:50 論点提起①(加藤隆文)
19:50 – 20:00 論点提起②(谷島貫太)
20:00 – 20:30 ディスカッション
報告者:増田展大(九州大学)
司会:谷島貫太(二松学舎大学)
論点提起:加藤隆文(大阪成蹊大学)/ 谷島貫太(二松学舎大学)
https://forms.gle/Df8z1tQ6QPodY8Rc7
日本記号学会 企画委員会 / 情報技術とプラグマティズム研究会
(共同幹事:加藤隆文・谷島貫太・椋本輔)